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文化講演会「歌舞伎を愉しむ」を開催しました

2026年10月10日(土)、大妻コタカ記念会館において、2026年度第1回文化講演会「歌舞伎を愉しむ ―歌舞伎のい・ろ・はと名舞台の見どころ―」を開催しました。

昨年に引き続き、歌舞伎解説者の前川文子先生を講師にお迎えしました。長年にわたり歌舞伎に深く携わってこられた先生から、歌舞伎の歴史や作品の成り立ち、名舞台の見どころなどについて、たいへん貴重なお話を伺いました。

今回、特に印象に残ったのは、歌舞伎における「世界」と「趣向」という考え方です。歌舞伎では、よく知られた物語を縦の筋とし、そこに新たな出来事や人物の関わりを横の筋として組み込むことで、一つの作品が創り出されるというお話でした。

例えば、1748年(寛延元年)に人形浄瑠璃として初演された、竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作『仮名手本忠臣蔵』は、1701年から1703年にかけて起こった赤穂事件を題材に、『太平記』の世界に置き換えて描かれた作品です。当時の観客は、舞台上の物語と、その背後にある実際の出来事とを結びつけながら楽しんでいたのでしょう。

また、歌舞伎には、長い物語の中から名場面を取り出して上演する「見取り」という方法があります。物語を初めから順に追うことに慣れた現代の私たちには、場面の展開が唐突に感じられることもあります。一方で、歌舞伎には、観客がすでに知っている物語の「世界」を共有し、そこに加えられた新たな「趣向」や役者の芸を楽しむという側面もあります。

今回のご講演を拝聴して、より深く理解することができました。

前川先生は、聴講者への問いかけを交えながら、巧みにお話を進められました。歌舞伎にまつわるさまざまな質問を投げかけ、聴講者も答えを考えながら、自然とお話に引き込まれていきました。会場全体で歌舞伎の世界を楽しむ、そんなひとときとなりました。

そして、前川先生の歯切れのよい、実に小気味よいお話しぶりも印象的でした。どこか、きっぷのよさを感じたのは、筆者だけでしょうか。

前川先生に心より御礼申し上げますとともに、ご参加いただいた皆様にも厚く御礼申し上げます。

 

 

 

 

聴講者に問いかけながら、歌舞伎の世界を生き生きと語る前川先生。

(開催後記 公益事業部)

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