令和7年6月8日、「青葉の集い(千代田区紀尾井町・ホテルニューオータニ東京)」の一環として文化講演会を開催し、児童文学作家・角野栄子先生のインタビュー映像を上映する「スクリーンビューイング」を実施いたしました。『魔女の宅急便(福音館書店)』をはじめ、多くの児童文学作品を世に送り出してこられた角野先生。スクリーン越しにも伝わる明るくあたたかな語り口に、会場は穏やかな空気に包まれました。
インタビューでは、毎日を健やかに過ごす秘訣や、年齢を重ねることでいっそう自分らしく装う楽しさなど、角野先生の日常に根ざした豊かな生き方が紹介されました。その語り口からは、年齢にとらわれず人生を楽しむ姿勢と、日々を丁寧に重ねることの意味がにじみ出ており、多くの参加者の共感を呼びました。
また、大妻中学校での思い出についても語ってくださり、ご入学のきっかけや、当時の学校生活、先生や友人との懐かしい記憶が丁寧に綴られました。ご自身のルーツの一部として大妻での経験を大切にされていることが、映像からも強く伝わってきました。
創作活動については、児童書を書き始めたきっかけや、執筆において大切にしていること、そして読者である子どもたちへの想いなどが語られました。
さらに、「角野栄子あたらしい童話大賞」への想いや、現代の子どもたちと文学との関わりについての考察は、教育に携わる私たちにとっても示唆に富んだ内容でした。
今回、インタビュアーを務めたのは本学の現役学生であり、角野先生にとっては“後輩”にあたります。世代を超えて先輩と後輩が言葉を交わす様子は、多くの来場者の心に深く残る場面となりました。
スクリーンビューイングという形式ではありましたが、角野先生のお人柄と児童文学への情熱は、会場全体にしっかりと伝わり、あたたかく学びの多い文化講演会となりました。
今後も大妻コタカ記念会では、地域や社会に貢献する文化事業を通じて、多様な学びと交流の場を創出してまいります。