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「紅葉の集い」を開催しました

2025年11月9日(日)歌舞伎座において、「紅葉の集い」を開催いたしました。今年の歌舞伎映画ヒットの影響なのか、場内は満席で、人気の高さを実感しました。

 昼の部の開演は11時、終演16時までの長丁場を感じさせないバラエティに富んだ演目立てで、歌舞伎を堪能しました。

まずは「御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)」で古風な“江戸荒事”を楽しみました。豪快で大らかな立ち廻りには、“これぞカブキ!”といったワクワク感がありました。

次は「道行雪故郷:新口村(みちゆきゆきのふるさと:にのくちむら)」。上方の心中物を美しい舞踊仕立て演じる俳優に見入ってしまいました。

三つ目は「鳥獣戯画絵巻(ちょうじゅうぎがえまき)」。1970年に舞踊公演として初演された舞踊劇で、歌舞伎公演としては今回が初演とのことです。国宝の絵巻物「鳥獣人物戯画」に描かれている蛙や兎、猿、狐、梟が登場して乱闘を繰り広げますが、最後はめでたく収まり歓喜の舞となります。大団円のエネルギッシュな群舞には魅了されました。

最後は「御所五郎蔵(ごしょのごろぞう)」。一人の傾城をめぐり武士二人が争う筋立て。舞台は華やかな廓の世界、傾城の豪華な衣装や心地よい七五調のセリフに酔う一幕でした。

幕間は3回あり、たっぷりと休憩時間がありました。お弁当をいただき、品数の多い売店を物色したりしながらご参加いただいた皆様とも交流ができて、充実した一日となりました。

また来年の「紅葉の集い」を楽しみになさってください。

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2025年度 第2回文化講演会 「歌舞伎を愉しむ―舞台の魅力と裏側―」を開催しました(10月25日)

2025年10月25日(土)、大妻コタカ記念会館3階にて、2025年度第2回文化講演会「歌舞伎を愉しむ―舞台の魅力と裏側―」を開催しました。

講師には、長年にわたり歌舞伎に携わり、現在は歌舞伎解説者として活躍されている前川文子氏をお迎えしました。講演では、歌舞伎の基本的な楽しみ方から、舞台を支える裏方の仕事まで、多彩なテーマに沿って丁寧な解説が行われました。

配布資料には「セリフに親しむ」「化粧でわかる役柄」「江戸の芝居スタイル」「幕の内外と裏方」などが紹介され、参加者は時折うなずきながら熱心に聞き入っていました。特に印象的だったのは、「歌舞伎はどの演目から、という順番を考えずに、そのとき上演されているものから楽しむのがよい」というお話です。

また、「歌舞伎がわかるようになるまでには、八年くらいかかるものです」とのお言葉には、伝統芸能を長く見続けることの奥深さと、芸を磨く人々への敬意が感じられました。豊富な経験に裏打ちされたお話と、おだやかで親しみやすいお人柄が印象的で、参加者一同に深い余韻を残しました。会場は終始あたたかな雰囲気に包まれ、拍手の中で講演が締めくくられました。
なお、大妻コタカ記念会では、来月11月の『紅葉の集い』では、歌舞伎座観劇会を予定しております。今回の講演で学んだ内容を実際の舞台で味わうまたとない機会となりました。

【講師プロフィール】
前川 文子(まえかわ ふみこ)氏/歌舞伎解説者
早稲田大学第一文学部演劇科卒。歌舞伎座内のフリーペーパーの編集・執筆や、スカパー!「歌舞伎チャンネル」での番組制作を担当。松竹株式会社演劇ライツ室を定年退職後、歌舞伎解説者として活動中。長年にわたり歌舞伎の魅力を伝える活動を続けている。

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【開催後記】
当日の司会進行と運営補助には、大妻女子大学放送研究会の学生会員が協力しました。落ち着いた進行と明るい対応で、講演会の運営を支え、会場を和やかな雰囲気にしてくれました。放送研究会の皆さんの活躍に感謝いたします。

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