東儀秀樹~雅楽のしらべ~ (大妻コタカ記念会法人設立40周年記念文化講演会)

1129日(土)大妻コタカ記念会法人設立40周年記念文化講演会「東儀秀樹~雅楽のしらべ~」が、大妻講堂において開催されました。

大正10年に大妻コタカ先生によって設立された大妻同窓会が、昭和49年に財団法人化されてから40年目となる記念の講演会で、雅楽の演奏家である東儀秀樹氏をお迎えしました。

東儀秀樹氏は、専門の雅楽の他、ジャズやロック、クラシックなど幅広く活躍されており、その知名度の高さから、開場前には受付開始を待つ多くの方が列を作られました。

定刻の1430、いよいよ始まりです。

始めに記念会会長の挨拶の後、幕が上がり鐘の音が鳴る中、狩衣装束の東儀氏が篳篥を演奏しながら座席後方より登場。

篳篥の音色が会場いっぱいに響き渡ります。

初めに、東儀氏によりこの日の演奏で使われている楽器の紹介がありました。

まず管楽器からで、

「笙(しょう)」は17本の竹管を束ねた形で、それは鳳凰が翼を広げた姿で「天から差し込む光」を表すとされており、パイプオルガンやアコーディオンのルーツになっているとも言われているそうです。

「篳篥(ひちりき)」は縦笛で主旋律を担当するもの。この音色は「地上の人の声」を荒らしていると言われ、オーボエのルーツと言われているそうです。

「龍笛(りゅうてき)」は横笛で、龍が天と地の間を行き交う「龍の鳴き声」を表しているそうです。

そして、これらの楽器がそれぞれ「天」「地」「空」を象徴することから、奏でられる音色で小宇宙を表現していると考えられるとお話を伺い、雅楽の表現するスケールの大きさを感じました。

次に弦楽器の琵琶、筝、打楽器の釣り太鼓(楽太鼓)、鉦鼓の紹介がありました。

そして、これらの楽器で「越天楽」「陪臚(ばいろ)」などを演奏していただき、それぞれが表現する音色を楽しみ、古くから伝承されてきた完成度の高い雅楽の素晴らしさを堪能しました。

その後は、雅楽のもう一つの表現である「舞楽」で、優雅な舞姿を鑑賞しました。

第二部はガラッと雰囲気が変わり、東儀秀樹オンステージ。

ご自分がギター、ベース、シンセサイザーなどで演奏した曲をバックに、篳篥の奏法を生かして、その豊かな音色で「ジュピター」「花みずき」「翼をください」そして、アンコールには「誰も寝てはいけない(歌劇トゥーランドットより)」を演奏され、東儀氏だからこそできる世界を見せていただきました。

この日の会場である大妻講堂の舞台にはパイプオルガンがありますが、この演奏ではパイプオルガンを生かした見事な照明がなされ、篳篥の音色に包まれた幻想的な世界が創り上げられました。

おいでになった皆様にも喜んでいただけたものと思っています。

東儀氏は雅楽と洋楽の融合を意識され、音楽を楽しむことについて次のように話されていたことが印象に残っています。

「音楽は自由なので、好きなように楽しんでいただければ良いのです。自分は音楽を仕事にしていますが、楽しんで仕事をしています。」

東儀秀樹さんがこれからもお仕事を楽しまれ、ご活躍されることをお祈りいたします。

この記念講演会の開催に際しましては、関係するたくさんの方にお力をいただきました。心より御礼申し上げます。

 

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